2013年07月19日

人の二面性

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人は本能と自制の二面をもつ。
本能がなければ、自制はなくてもよい。だが自制がなくても本能は必要だ。すなわち、自制は本能の上で成り立っているのだ。自制心とは本能があるために生まれる心である。なぜ、人は自制心という後天的付属品を必要としなければならないのか。

まず、人の自制心が破綻すれば、群れ(組織)を成すことができないだろう。ならば、群れを生すために自制心は必要条件なのだろうか。自制心よりも本能心が優位な動物(人は動物の一種だが)でも群れは成せている。このことを考えると、群れを生すために必要な、人の自制心は過剰に感じる。

人が成す群れと動物が成す群れとでは、構造の複雑さがまるで違う。人の場合、情報を共有し合うネットワークシステムが、昔から桁を外れてハイレベルである。すなわち、人と動物の違いは、生きてゆくために生された群れのつくる雰囲気(システム)の複雑さにある。複雑なシステムは人ならではのものなので、人固有である。その複雑さは高度なシステムを作りあげる上で重要であるが、その精密さは、ときとして短所を与える。そのさまは、脳と類似している。脳のシステムは、高度で精密だが、一部でも傷つけば、全体のシステムに重大な損傷を与える。これは高度なシステムを作り上げた、ひと−ひと間システムでも同様のことが言えるだろう。ひと一人が、群れの存続を脅かすなら、平均して群れはその一人を排除するだろう。なぜなら、その一人が群れ全体に重大な損傷を与えるためである。したがって、群れへの不適合者は遺伝学的な長生きはできないだろう。すなわち、遺伝子を次の代に託せないのだ。

群れへの不適合者とは何か。群れは平均を好む。すなわち、群れを成すためには、全体の平均として他と接することが重要だ。調和を好む我々に、非調和な者は不可解に映る。この認識は群を生す上で大前提となってくる。まず、この認識が群れの平均になければ、群れは成り立たないだろう。群れの意義こそが、調和することなのだから。調和することで一人では到底成しえなかったことが可能となる。裸の我々が物理的に非力な動物であったがめ、物理的強者の環境下で生き残れる唯一の術は、高度に群れを生すことであり、人間がそうしたのはごく自然な摂理であったと言えよう。

その術を手に入れる前の本能を、先天的本能とするなら、群れを生すための本能は後天的本能だ。そしてその後天的本能が、今でいう自制心に当たるのだ。後天的本能―自制心は先天的本能を取り持つ必要があった。自制心は贅沢品に似ていると感じる。贅沢品は生きていくためには必要ないが、生活の質を増すためには必要である。要するに、贅沢品は最低限には属さず、だが必要性は十五分にあるということである。同様、自制心も生きる最低とは言えないが、生きる質を上げるためには十五分に必要である。

生きるための最低限、それは先天的本能、すなわち現在一般化した「本能」である。食欲、性欲、恐怖心、好奇心、等すべて本能である。この本能は今生きる上でも、存分に仕事を全うしている。食欲がなければ、餓死するし、性欲がなければ遺伝子は途切れる、恐怖心がなければ死が早まり、好奇心がなければ探究せず発展はない。これらは全て役立つ代物であるが、時としては生きる妨げとなる。その“時”とは、群れの雰囲気下にあるときだ。食欲にかまけて、食べ物にむさぼりついて、周りに与えようとしなければ、群れとして不適だろう。この不適な存在は群れの維持を妨げるだろう。その、一の妨げの影響力は、全のシステムが高次元であるほど、巨大なものとなる。したがって、一人に自制心がなければ、群れから外れる・されるのは必然であり、高度なシステムを創りあげた人の固有の雰囲気下において、本能人は確実に孤独である。本能人を受け入れた群れの代償は言うまでもない。

自制心は、本能があって初めて成り立ち、
人の創る高次元の環境と本能を取り持つ上で必須となる。
人の二面性は、非常に面白く、他の動物にはまねできない。
動物にまねできることをやっても、人として面白くないだろう。
やはり、上を見る我々は動物よりも上で在り続ける必要がある。
そのためにも、自制心を蔑ろにしないことだ。
自制心は人が人として人であるために備える最低条件の本能へと昇華した。
あとはそれを極めることだ。
posted by 猪瀬歩夢 at 02:45| 愛媛 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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